Vビームは1回でも効果ある?回数・間隔・症状別の目安を皮膚科専門医が解説
「Vビームは1回で効果が出るのか」「何回くらい必要なのか」と疑問に感じている方は多いのではないでしょうか。赤ら顔やニキビ跡の赤みなど、見た目に直結する症状であるからこそ、できるだけ少ない回数で改善したいと考えるのは自然なことです。
結論からお伝えすると、Vビームは1回でも効果を実感できる場合がありますが、多くの方は3〜10回程度の治療が必要になります。
本記事では、Vビーム治療の回数が必要になる理由を医学的に解説しながら、症状別の回数目安や治療間隔、さらに少ない回数で効果を高めるポイントまで詳しく解説します。
Vビームとは(簡潔に理解)
Vビームはパルス色素レーザー(PDL)と呼ばれる治療機器で、赤ら顔や酒さ、ニキビ跡の赤み、血管腫など、血管が原因となる赤みに特化したレーザーです。波長595nmのレーザーが血液中の酸化ヘモグロビンに選択的に反応し、異常に増えた血管を選択的に破壊することで赤みを改善します。
Vビームの詳しい仕組みや適応については、Vビームのページで詳しく解説しています。
Vビームは1回でも効果はあるのか
まず最も気になる「1回で効果が出るのか」という点についてですが、これは症状によって大きく異なります。
例えば、比較的浅く細い血管が主体となっている場合や、小さなさくらんぼ血管腫のような限局した病変では、1回の照射で明らかな改善を実感できることも少なくありません。一方で、赤ら顔や酒さ、ニキビ跡の赤みのように、皮膚の炎症を伴う場合や様々な深さに血管異常が存在するケースでは、1回の治療だけでは不十分であり、複数回の照射が必要になることが一般的です。
つまり、Vビームは「1回で終わる治療」ではなく、「回数を重ねて完成させる治療」と理解することが重要です。
当院の症例 Vビーム1回後の変化
【30歳代男性】お腹のさくらんぼ血管腫
お腹のさくらんぼ血管腫に対してVビーム治療を行いました。施術後1ヶ月後で血管腫がなくなっています。

| 施術 | Vビームレーザー治療 |
|---|---|
| 費用 | 1つ 4,400円(税込) (本施術では2つ・総額8,800円(税込)) |
| 副作用・リスク | 腫れ・内出血など |
Vビーム治療のその他の症例は、Vビーム治療ページでご紹介しています。
なぜVビームは複数回必要なのか
Vビーム治療に回数が必要となる理由は、血管の構造と皮膚の反応にあります。
① 血管は「深さ」と「太さ」がバラバラに存在する
まず、赤みの原因となる血管は皮膚の浅い層からやや深い層まで複雑に分布し、さらに太さもさまざまです。Vビームは約1mm程度の深さまでエネルギーが届くため、1回の照射ですべての血管に同時に作用させることはできません。そのため、回数を分けながら段階的に血管を減らしていく必要があります。
さらに、Vビームはパルス幅(照射時間)を0.45msから40msまで細かく調整できる特徴があります。一般的に短いパルス幅は細い血管に、長いパルス幅は太い血管に適していますが、実際の皮膚ではこれらが混在しているため、設定を変えながら複数回に分けて照射することで、より高い治療効果が得られます。
② 見た目の変化には“ある程度の血管減少量”が必要
また、見た目の変化という観点も重要です。血管は1回の治療でも減少しますが、患者様が「改善した」と感じるためには、ある程度の血管量が減少する必要があります。初期の数回では変化がわかりにくくても、血管レベルでは確実に減少していることも多く、回数を重ねることで視覚的な改善につながっていきます。
③ 血管は再生(血管新生・再疎通)する
さらにもう一つ重要なのが、血管の再生です。Vビームによって一度ダメージを受けた血管でも、時間の経過とともに再疎通したり、新たな血管が形成されたりすることが知られています。特に炎症が強い状態では血管新生が起こりやすく、治療回数が必要になる大きな要因となります。したがって、単にレーザーを繰り返すだけでなく、炎症をコントロールしながら治療を行うことが非常に重要です。
Vビームは何回必要?症状別の回数目安
Vビームの治療回数は、赤みの原因となる血管の「深さ・太さ・広がり」、さらに炎症の有無によって大きく異なります。
同じ“赤み”でも必要な回数には差があるため、症状ごとの目安を理解しておくことが重要です。
■ 単純性血管腫(毛細血管奇形)
生まれつきの赤あざである単純性血管腫は、早期から治療を開始することで高い効果が期待できます。特に小児は皮膚が薄く、レーザーが血管に届きやすいため、比較的少ない回数で改善する傾向があります。
- 小児:約5回前後
- 成人:5〜10回以上
成人では血管に厚みが出ていることが多く、その分回数が増える傾向があります。
単純性血管腫の治療については、単純性血管腫のページで詳しく解説しています。
■ 赤ら顔・酒さ
赤ら顔や酒さは、血管拡張に加えて皮膚の炎症が関与する疾患です。そのため、単に血管を減らすだけでなく、炎症を抑える治療を併用することが重要になります。
一般的には、5〜10回程度の治療を目安に段階的に改善を目指します。ただし、筋状に拡張した血管が主体で炎症が少ない場合には、比較的少ない回数で効果を実感できることもあります。
赤ら顔・酒さの原因や治療については、赤ら顔・酒さのページで詳しく解説しています。
赤ら顔・酒さに対するVビーム治療の症例については、Vビーム治療のその他の症例もあわせてご覧ください。
■ 小鼻の赤み
小鼻の赤みは、皮脂分泌や摩擦などの慢性的な刺激によって血管が拡張することで生じます。再発しやすい部位であるため、レーザー治療とあわせてスキンケアや生活習慣の見直しも重要です。
治療回数の目安としては、5〜10回程度の継続的な照射が必要になることが多くなります。
小鼻の赤みの原因や治療については、小鼻の赤みのページで詳しく解説しています。
■ ニキビ跡の赤み(炎症後紅斑)
ニキビが治った後に残る赤みは、拡張した血管と持続する炎症が原因です。Vビームはこの血管成分に直接作用するため、比較的反応が良い症状とされています。
多くの場合、3〜5回程度の治療で改善を実感されることが多く、他の赤み疾患と比べると比較的少ない回数で効果が出やすいのが特徴です。
ニキビ跡の赤みに対するVビーム治療の症例については、Vビーム治療のその他の症例もあわせてご覧ください。
■ さくらんぼ血管腫
さくらんぼ血管腫は、比較的限局した血管病変であるため、小さいものでは1回の治療で消失することも少なくありません。
- 3mm程度まで:1回で改善することが多い
- 4mm以上・厚みあり:複数回必要
治療後は軽度の内出血が生じることがありますが、通常は約2週間ほどで吸収され、徐々に血管腫が目立たなくなっていきます。
さくらんぼ血管腫の原因や治療については、さくらんぼ血管腫のページで詳しく解説しています。
効果が出るまでの経過
Vビーム治療後は、直後に軽度の赤みやむくみが生じることがあり、照射条件によっては紫斑(内出血)が出ることもあります。これらは数日から1週間程度で落ち着き、約2週間前後で赤みの改善が徐々に実感できるようになります。
重要なのは、1回ごとの変化は緩やかであっても、回数を重ねることで徐々に改善していくという点です。
治療間隔の目安
自費診療の場合は、皮膚の回復を考慮して2〜4週間程度の間隔での治療が一般的です。月1回のペースが最もバランスが良く、多くの方に推奨されます。早期改善を希望される場合には2週間間隔で行うこともあります。
海外の研究では1週間ごとの照射で良好な結果が得られたとする報告もあり、皮膚状態の慎重な評価と適切な設定でより短い間隔での治療を行う場合もあります。
保険適用での治療については、診療上のルールにより原則として3ヶ月ごとの照射間隔が定められています。
つまり、自費は短期間で改善、保険は長期的に改善していく治療設計になります。
Vビームで1回の効果を実感しにくい方の特徴
Vビームは高い効果が期待できる治療ですが、以下のような特徴がある場合には、1回での変化がわかりにくく、複数回の治療が必要となることが多くなります。
- 赤みが強い(重症)
- 血管が深い位置に存在している
- 皮膚の炎症が強い状態が続いている
- 紫外線や摩擦などの刺激が日常的に多い
- 肌質に合っていないスキンケアを行っている(強いレチノールや高濃度ビタミンCなど)
特に炎症が強い状態では血管新生(新しい血管の形成)が起こりやすく、レーザーによって減らした血管が再び増えてしまうことがあります。こうした状態では、単に照射回数を増やすだけでなく、炎症そのものをコントロールすることが重要になります。
Vビームの効果を少ない回数で実感するためのポイント
Vビーム治療は、単に回数を重ねるだけでなく、治療戦略によって効率が大きく変わります。適切に行うことで、より少ない回数で効果を実感することも可能です。
① 炎症を抑えながら治療を行う
皮膚の炎症が強い状態では、血管新生が促進され、Vビームの効果が十分に発揮されにくくなります。そのため、外用薬や内服薬による抗炎症治療、さらに必要に応じて他の施術を併用しながら、炎症を抑えた状態でレーザーを行うことが重要です。
炎症をコントロールすることで、血管の再発を抑え、結果的に必要な治療回数を減らすことにつながります。
② 血管の状態に応じた設定(パルス幅)の最適化
Vビームはパルス幅(照射時間)を細かく調整できることが大きな特徴です。血管の太さや深さによって最適な設定は異なるため、画一的な照射では十分な効果が得られない場合があります。
赤みのタイプや治療の進行に応じて設定を調整していくことで、より効率的に血管へダメージを与えることができ、少ない回数での改善が期待できます。
③ 効果とダウンタイムのバランスをとる
Vビームは出力を上げることで高い効果が得られる一方、強い腫れや内出血(紫斑)などのダウンタイムが生じることがあります。反対に、出力が弱すぎると効果が不十分になり、結果的に回数が増えてしまうこともあります。
そのため重要なのは、効果を最大限に引き出しつつ、日常生活に支障のない範囲でダウンタイムをコントロールすることです。適切なバランスで治療を行うことで、効率よく改善を目指すことができます。
当院のVビーム治療のこだわり

当院では、Vビーム治療の効果を最大限に引き出すために、単に照射を行うだけでなく、赤みの原因となる血管の状態を詳細に評価したうえで、個別に最適な設定を行っています。
具体的には、肌の炎症の程度を丁寧に見極めるとともに、ダーモスコピー(皮膚拡大鏡)を用いて血管の分布や太さ、タイプを評価します。これにより、目に見える赤みだけでなく、どの層にどのような血管が存在しているのかを把握し、より精度の高い治療が可能になります。
Vビームはパルス幅や出力などの設定によって効果が大きく変わる治療であり、画一的な照射では十分な効果が得られないこともあります。当院では、
- 赤ら顔・酒さ
- ニキビ跡の赤み(炎症後紅斑)
- 血管腫やその他の血管性病変
といった症状ごとに、さらに同じ症状であっても患者様ごとの状態に応じて、設定を細かく調整しながら照射を行っています。
また、炎症が強い症例では、必要に応じて外用薬や内服治療を併用し、血管新生を抑えながら治療を進めることで、より少ない回数で効率的な改善を目指します。
このように当院では、血管の状態を見極めたオーダーメイドのVビーム治療を行うことで、効果と安全性の両立を重視した診療を提供しています。
よくある質問
- Vビームの効果はいつから出ますか?
-
Vビームの効果は、通常2週間前後で実感されることが多いです。
治療直後は赤みや軽度の腫れが出ることがありますが、数日〜1週間ほどで落ち着き、その後徐々に赤みの改善が見えてきます。
- なぜVビームは1回では終わらないのですか?
-
Vビームは血管を減らす治療ですが、赤みの原因となる血管は皮膚のさまざまな深さや太さで存在しています。そのため、1回の照射ではすべての血管に作用しきれません。
さらに、血管は再生する性質があり、炎症が強い場合には血管新生が起こることもあります。
このため、複数回に分けて段階的に治療する必要があります。
- 少ない回数でVビームの効果を出す方法はありますか?
-
少ない回数で効果を実感するためには、以下が重要です。
- 炎症を抑えながら治療を行う
- 血管の状態に合わせて設定を調整する
- 紫外線や摩擦などの刺激を避ける
特に炎症が強い状態では血管新生が起こりやすいため、炎症コントロールを併用することが効果を高めるポイントになります 。
Vビームの適応や治療回数、ダウンタイムなど、その他のご質問については、Vビーム治療ページで詳しくご案内しています。
まとめ
Vビームは、症状によっては1回でも効果を実感できる可能性がありますが、基本的には複数回の治療を前提としたレーザー治療です。
回数は、血管の深さ・太さ・炎症の有無によって決まり、適切な間隔と治療戦略によって効率的に改善することが可能です。
ご自身の症状で何回必要か知りたい方は、診察で具体的にご説明可能です。お気軽にご相談ください。
Vビームの効果や適応については、Vビームのページでも詳しく解説しています。
【参考文献】
- 日本皮膚科学会 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023 ※PDFファイルが開きます
- Bajaj S, Tao J, Hashemi DA, Geronemus RG. Weekly Pulsed Dye Laser Treatments for Port-Wine Birthmarks in Infants. JAMA Dermatol. 2024 Jun 1;160(6):606-611. PMID: 38630490.
この記事を書いた人
上野御徒町ファラド皮膚科 院長
上條 広章(かみじょう ひろあき)
- 資格
- 医学博士(東京大学大学院医学系研究科)
- 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
- 日本美容外科学会(JSAS)認定 美容外科専門医
- 日本レーザー医学会専門医
- 所属学会
- 日本皮膚科学会
- 日本美容外科学会(JSAS)
- 日本美容皮膚科学会
- 日本レーザー医学会
- 受賞歴
- 第7回日本皮膚悪性腫瘍学会賞(石原・池田賞)
- 第20回マルホ研究賞
- Poster Prize, 47th Annual Meeting of European Society for Dermatological Research
略歴
| 2012年 | 東京大学医学部医学科 卒業 |
|---|---|
| 2014年 | 藤枝市立総合病院 初期研修 修了 |
| 2014年 | 東京警察病院 皮膚科 |
| 2016年 | 東京大学医学部附属病院 皮膚科 |
| 2019年 | 東京大学医学部附属病院 皮膚科 助教 アトピー性皮膚炎専門外来、皮膚悪性腫瘍専門外来、レーザー専門外来担当 |
| 2021年 | 都内大手美容外科 入職 |
| 2022年 | 都内大手美容外科 本院 部長 美容皮膚科治療監修を担当 |
| 2022年 | 上野御徒町ファラド皮膚科 開院 |



